※この記事は「miracle版《Time Walk》」がいわゆる偽物でない場合のことを考えて書いています。
※考えを強要するつもりはありません。

Time Walk (1)(青)
ソーサリー
あなたは、このターンに続いて追加の1ターンを行う。



周知の通り新たなキーワード能力が追加された。
miracle。
そして、その代替コストで唱えることにより、かのPower9である《Time Walk》と同様のコストパフォーマンスを誇るカードが登場した。
ネットを中心として見てみるとこのカードの登場により、様々なドローカードやサーチカードの価値に影響が出ると考えている人が多いようだ。

先に自分の結論を言おう。
「強くはない」
これが自分が至った結論だ。
むろん、弱いとは言い切れない。しかし、どちらかと言ったら弱い部類にも入りかねないだろう。
→専用のデッキが登場すればこの限りではないし、単純に2マナのターンアドバンテージは強力無比だ。
加えて、ここまでこのカードが過大評価される背景には《Time Walk》の強力な部分だけが独り歩きしていると言わざるを得ないと思う。
そして、それらの評価に流されてしまっている人も少なからずいるということだろう。
これは残念なことだと思う。
だが、それらの人たちが全部悪いかと言われれば、そうではないと思う。

自分の見解では、このカードをキーワード能力「miracle」で使用するためにはライブラリートップに持ってくる必要があり、それこそがネックになると考えている。
この弱点は言い換えれば、「このカードを《Time Walk》として唱えるためにはいわゆるトップデッキを除いてカード一枚+α(αは多くの場合1ターンに相当)の投資が必要である」ということだ。

具体例を出そう。
まず、このカードを2ターン目に唱えるとしよう。
そうするとおおよそは下記のような流れになるのではないだろうか?
1ターン目:土地をセット→ドロー又はサーチ系で詰め込む。
2ターン目:土地をセット→唱える

ここで問題。
もし、追加のターンで土地をセットできなかったらどうなるか?
殆ど2マナ1ドローだ。(土地がアンタップするという点ではいくらかマシだが)
自分だったら《火+氷/Fire+Ice》で氷のモードの方を唱える。
ちなみに、上記のように土地をセットできなかった場合にもう一つ大きな欠点があるのことを認識していなければならない。
それはもう書いた。
もうわかっている人もいるのではないだろうか?
そう、ドロー又はサーチ系を使用している。
つまり、カード一枚を消費しているのだ。
ひどい時には1ターンをも無駄にしてしまう可能性もある。
こんなんだったら《ミューズの囁き/Whisper of the Muse》の方が良い。
3ターン目に唱えようと、この弱点は変わらない。
軽減できるのは《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》くらいか。
それでも、トップの順番を変えるため、①マナは失われる。
→この問題点を解決するには土地を多めにすればよいのではないか?
確かにそうだ。
しかし、土地を入れると他のカードが減る。
その上、サーチカードや《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》といったらライブラリー操作カードを搭載しなければならない。
miracleコストで唱えるためにここまでする価値はあるのだろうか?

そもそも、現在のLegacy環境における多くのデッキがこのカードが入るスロットはあるのだろうか?
何を抜くのか?

ちなみに《Force of Will》は代替コストをもつが、それ以上にある程度素打ちが可能なカードであるから強い。
「miracle版《Time Walk》」はどうだろうか?
普通に唱えられるか?

以上のように欠点だけを述べる形になってしまったが、発掘がDredgeを生み出したように、全てmiracleをもったデッキなどで使用すれば十分使えるデッキが出る可能性も否定できないと思う。
今後の動向に期待したい。

最後に、「《Time Walk》がなぜ強いか?」ということを改めて考えるべきではないかと自分は思う。
今回の騒動は《Time Walk》の名前と印象の独り歩きを如実に表しているのではないだろうか?
そして、Vintageはそのようなカードが多いように感じる。

コメント

MTGAnglerfish.アンコウ
2012年4月11日20:48

私も現在は明らかに“超”過大評価だと思っていますし、最終的に500円程度だと思っています。(←500円すら過大評価かもしれません)

しもべの一人、H
2012年4月11日23:21

同じく、現状では騒がれ過ぎていると思います。
《Time Walk》が強いのはVintageという環境が壊れた軽量スペルで溢れており「1ターンを得る」という効果が、結果的に物凄いアドバンテージにつながる点。
また、
単体で状況を選ばず2マナでキャストできる点
の2つが非常に大きいです。

このカードは使用するのに仕込みが必要ですし、Vintage程Lagacyは1ターンの差が響かないです(もちろん、1ターンの差は小さくは無いですが・・・)。
VintageのTime Walkの強さをそのままLegacyのこれに適用して考えるのは違う、と思います。
また、仰る通り、Uのデッキには余分な枠がありません。
今のデッキの形・挙動を壊すことなく、必要なタイミングで、効果的に使うというのは、かなりハードルが高いと思います。

PLCで《時間の恐喝》が出た時にも当初ずいぶん騒がれましたが、結局はうまく使いこなせず、4マナ1ドローという結論に落ち着きましたからね。

 ただし、やっぱり弱い事は書いてないと思います。
特に勝っている時が強く、「押している状況をさらに押し込める」カード
というのが私の現状の感想ですね。


いずれにしても、現状で禁止云々は時期尚早であると思います。


そういえば、rainさんも似たような記事を書いていましたね。

nophoto
通りすがり
2012年4月12日23:02

これって1ターン目に積み込んでも2ターン目のドロー時にはまだ1マナしかないから2ターン目には基本的にキャストできなくないですかね?

MUD/STAX
2012年4月13日0:28

>>鬱っちーさん
オリジナルのカードがカードですからねぇ・・・
やはり、今の段階では過大評価ですよね。

>>しもべの一人、Hさん
ターンアドバンテージとカードアドバンテージの両立が基本的に取れなくなってしまっているこのカードは《Time Walk》と比べるにはあまりにお粗末といわざるを得ないと思います。
しかし、ターンアドバンテージ自体が強力なのでそれだけでも使えることは使える、ということでしょうか。
たくさん記事を読んでいるみたいなので、自分も見習いたいと思います。

>>通りすがりさん
この記事を書いたのがmiracleの詳細な取り扱いが明らかでない頃だったので、そうなりますね!
ご指摘、ありがとうございます。

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