Leonin Relic-Warder / レオニンの遺物囲い (白)(白)
クリーチャー — 猫(Cat) クレリック(Cleric)
レオニンの遺物囲いが戦場に出たとき、アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とする。あなたはそれを追放してもよい。
レオニンの遺物囲いが戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
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前回の日記(カード評価@Vintage http://battlecruiser.diarynote.jp/201210062330342523/)の続きです。

最近発売されたカードで一際有名なカードといえば《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》であろう。
このカードの強さは誰もが認めるだろう。
アーティファクト・クリーチャーである《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》や《鋼のヘルカイト/Steel Helkite》もVintageで活躍している。
だが、その他のカードでもVintageに十分通用するカードは存在する。
しかし、残念ながらそのカードに着目している人物は皆無に等しかった。
声高らかにカードを評価する人はそのようなカードこそ、紹介してほしいと思っている。
もしかしたら、気付かなかった、あるいは気付けなかっただけなのかもしれない。
なぜなら、それはVintageでは見かけることが非常に少ない色、白のクリーチャーカードなのだから・・・
→《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》のおかげていくらか見かける機会が増えた

《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》。
これほどVintage環境にマッチしているクリーチャーであるにも関わらず、このカードを正確に評価できていた人は何人いただろうか?
このような結果になってしまったのはやはり、日本のVintageプレイヤーが所謂「コピーデッキ」のチューンからVintageのデッキを作る傾向が大きく、あまりカードについて考察していないことを暗示しているのではないかと思う。
ちなみに、「コピーデッキをチューンする」こと自体は全く悪いことだとは思わない。
誰しも、最初はうまい人の真似から始めるものだ。
しかしやってはいけないのは後半の部分に示した「あまりカードについて考察していない」という部分だ。
これは、実は「カードの考察ができない」といった方が正解かもしれない。
なぜならば、こういったカードに気付くためにはVintageの中でもあまり使われない白をしっかりと使った経験のある人、そして偏ったデッキや色の知識でなく、Vintageの環境そのものを知っていることが必要だからだ。
前回の日記で「歪んだ考察」が悪影響を招くと言ったのは、このように視野が狭まったカードの解釈しかできなくなる可能性があるからだ。
《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》が正確に評価され得なかった背景には少なからずこの「歪んだ知識・考察」が存在していることは確かであろう。

さて、前置きはこのくらいにしておいてこのクリーチャーのどこがVintageで強力なのか?
このカードの強力な点はまとめると

①(アーティファクトでない)クリーチャーである
②追放する
③アーティファクト、エンチャントの両方に対処できる

以上の3点だ。
逆に、扱いづらい点は

◆ダブルシンボル
この一点に尽きる。

まず、強力な点から見ていこう。
①クリーチャーである  ※非アーティファクト※
Vintageではクリーチャーに対処できるカードは少ない。中には普通のクリ―チャ―には全く干渉できないデッキも存在する。
つまり、このカードは確定除去として働きうるのだ。
しかも、クロックが残る。ただの除去としても十分使用に耐えうる性能である。
クロックであるということはプレインズウォーカーに対処しやすくなるということだ。
更に、Vintageではクリーチャー呪文を打ち消せるカウンターに乏しく、通りやすいのもインスタントやソーサリーに比べて信頼性が高く、長所の一つである。

②追放する
これは、破壊ではないということ。
つまり、《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》による即死を回避できるのだ。
相手が不用意に《Time Vault》を出そうものなら、追放して除去されない限り勝ち手段を一つ潰せる。
ちなみに、この効果が「破壊」であった場合、勿論《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》に対処できない。
また、Vingtageでは《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》や《Regrowth》といった墓地からの回収カードが存在するため、《Time Vault》を墓地に落としても安心はできない。
最悪、《Timetwister》→《修繕/Tinker》でも再利用可能なのだ(最悪、素出しも可)。

余談だが、《Timetwister》が他の環境で禁止、Vintageで制限なのはこういったことも影響している。
最近は統率者戦(EDH)で目にする機会が多くなったが、《Timetwister》は他のドロー呪文と全く違う。
同じように扱っている人が多すぎる気がするが、ただ「大量ドローカード」の一つとしてとらえている人は結局のところ、《Timetwister》を使いこなせていないのだろう。
むしろ、《Timetwister》に使われているといっても過言ではないかもしれない。恐ろしいカードである。


③アーティファクト、エンチャントの両方に対処できる
これはまぎれもなく、(除去されなければ)1対2交換がアーティファクトとエンチャントのいづれかと可能であるということだ。
アーティファクトなど、Vintageでは特殊なデッキで無い限り目にしない方が珍しい。
Solo Moxenを追放すれば、マナ基盤の破壊+クロック という恐ろしいカードになる。
MUDに対しても、《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》や《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》をアドバンテージの損失なしに盤面から葬れる。
装備品に対処したりもできる。
また、エンチャントにも干渉できる点は重要であり、Vintage特有のOath系デッキはこのクリ―チャ―で対処が可能なのだ。
上記の中では、Solo Moxenに対処しながらクロックを確保するというのが最も強烈なのではないだろうか。
前述した通り、カウンターもされづらいため信用性が比較的高い。

次に扱いづらい点であるが、
◆ダブルシンボル
理由は言わずもがなだろう。
出しにくいのだ。
特に、1ターン目に出すにはかなりつらい。
Solo Moxenを使ってもきついだろう。
→《Black Lotus》? あれは別格。

このように、一枚のカードでも考察すべきところはたくさんある。
次回はVintageには珍しい白色のデッキであり、更にSolo Moxenを使わない白単(厳密に言うと白単ではない)デッキを紹介しようと思っています。
ある程度戦えるデッキを紹介するつもりです。

コメント

タミネタ@スキジリの人
2012年10月9日11:55

ツイスターは自分の墓地回収によるリソースの回復の他に、他の対戦相手の墓地対策、序盤に打てれば他のプレイヤーのハンドキープの否定と思った以上の仕事をするよね~

結構タイムウォークより強力なんじゃないかって思う。

しもべの一人、H
2012年10月9日12:21

>レオニンの遺物囲い
これは意外でしたね。
しかし、
・Vintageは生物対策が少ない
・Atf対策は絶対条件
という部分を考えれば確かにありかもしれないです。

しかし、やはりWWが痛いですよね。
正直初速命がVintageだと思っているので2マナな事より、WWが厳しすぎて視野から外していました。

>前回の日記
正直耳が痛いですね。
カード紹介の時、どうしても、「このカードはこれが出来る!!」という部分は書くんですが、「これが出来ない」「この状況では弱い」という事が御座なりになってしまいがち何ですよね。気を付けてはいるのですが・・・。

みみみ
2012年10月12日21:22

しがないスタンオンリーなプレイヤーですが、個別のカードに対する評価姿勢が非常に参考になりました。一枚一枚の理由を考えるのって大事ですね。

MUD/STAX
2012年10月14日22:54

>>ターミネーター
流石、わかってるねぇ!
資産がそろったら是非一緒にやりたいな。

>>しもべの一人、Hさん
いつも記事を楽しみにしていますよ!
いろいろな角度からの考察があり、おざなりにはなっていないと思います!

>>mimimiさん
コメントありがとうございます。
強いカードの理由って実はあんまりよく言えなかったりするんですよね(笑)

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